私は、行きに1日間、お遍路で9日間、帰り(途中までお遍路)に1日の計11日間でお遍路をしました。
うち1日の帰りはぎりぎりまでお遍路をしていたこともあり、徹夜の帰路となってしまい、そのまま会社へ出勤するという強行スケジュールとなってしまいました。
中にはお遍路を4日や5日で回ったなどと言われている方もいらっしゃいますが、
これは、単にお寺に行ったということで、巡礼とは言えませんね。
できる限り作法の則り、感謝の気持ちで巡礼したいところですので、
早く回れればいいというものでもありません。
もしかしたら、
「やったことはないけど、バイクでお遍路をしたい!」という
希有な方もいらっしゃると思います。
そのような方向けに私の経験や体験、失敗や反省なども踏まえ記事を書きます。
目次
巡礼方法
1番札所から88番札所まであるので、
1番から回らなければいけないと思ってしまいますが、
特に決まっていませんので、
どこから回り始めても良いです。
ちなみに、1番から順番に回ることを「順打ち」
88番から逆に回ることを「逆打ち」と言います。
一気に回らず、何回かに分けて回ることを「区切り打ち」と言います。
初めての場合、1番からの順打ち若しくは途中からでも順番ごとに行ったほうが良いです。
というのも、看板がその順番で出ているためわかりやすいということがあります。
ナビがあるのでいいような気がしますが、88箇所をその都度ナビに設定するのは意外と面倒な作業なので、地図を使ったほうがいい場合もあります。
お遍路遍は「同行二人」と言われています。
つまり、ソロライダーとして行っても、一人で回っているのではないのです。
これは、常に弘法大師がそばにいて、その守りを受けているとされています。
普通、お寺に巡礼される場合は、本堂の1箇所だけなのですが、
お遍路の場合、八十八箇所のお寺全部に
「本堂」と「大師堂」がありまして、
この2箇所をお参りします。
つまり、88のお寺×2箇所で実質176箇所を巡礼することになります。
88ヶ所を回ることを結願と言いますが、
満願を目指すなら、結願後、さらに高野山の奥の院(和歌山県)に行って巡礼する必要があります。
そうなると、フェリーでわたるのが早いと思いますので、
そのあたりの予定も確認しておく必要があります。
服装
白衣を着ます。
私はバイクに乗っているときも着ていました。
バイクの乗っているときは着ないという人は、お寺に着いたときに来てください。
前の部分はちゃんと紐で縛ってくださいね。
私はほどけてしまってほかのお遍路さんに注意されてしまいました^^;
数珠はあったほうが良いですね。
必要なもの
こちらで書きましたので、そちらを参考にしてくださいませ。
お作法
さて、お寺ですることは、
1.バイクを降りて、参拝の準備をする。
2.山門では一礼して合掌する。
3.手水舎にて、手を清める。
・本堂へ
4.納め札を入れる。(名前と住所が書いていない場合は書く)
5.ロウソクに1本に火をつけ、燭台にろうそくをお供えする(立てる)
6.ろうそくからお線香を3本に火をつけお供えする。
7.お賽銭を入れる。
8.お経(般若心経)を読経する。(若しくは写経)
・大師堂へ(すべてのお寺に本堂と大師堂があります)
4~7まで同じことをする。
・納経所へ
9.納経帳に御朱印をもらう。
・終わりに
10.山門で一礼する。
11.準備をしてバイクに乗る。
これを行うと5分ではとても終わりません。
しっかりと巡礼をするのであれば30分は見ておいたほうがいいでしょう。
ちなみにお経は、
開経偈1回
懺悔文1回
三帰1回
三賁1回
十善戒1回
発菩提心真言1回
三摩耶戒真言1回
般若心経1回
御本尊真言(大師堂では唱えない)3回
十三仏真言3回
光明真言3回
御宝号3回
回向1回
を読むのが正式です。
1番札所で教えていただいた簡略版は、
般若心経1回
光明真言3回
御宝号3回
回向1回
さらに、簡略にしたい場合は、
光明真言3回
御宝号3回
回向1回
ちょっと記憶があいまいになってしまいましたので、
間違っていたらすいません。
時間がなくても最低、本堂と大師堂に行き、手を合わせてくださいね。
所要時間
ちゃんと巡礼する場合は、1お寺あたり30分~1時間程度
簡略化する場合は、10分から30分程度
ヘルメットやグローブの脱着があったり、白衣を着たりする時間もありますから、その時間も見ておいたほうが良いですね。
そうすると、場所にもよりますが、最大でも1日10お寺~15お寺が限界かもしれません。
納経所の開設時間
納経所は午前7時から午後5時までと決まっているので、御朱印等を貰う場合には
この時間内で回らないといけません。
私は時間を削るためにお昼は食べませんでしたが、そういった時間も考慮すると、
朝7時には、お寺には行っていたところです。
計画外のことも考えておく
1つのお寺あたり、平均1時間以内で回れれば、1日10個行けますので、
9日で回れることになりますが、場所によって、お寺が集中しているのでたくさん回れるところもあれば、
周りにお寺がない岬は数多く回れないので、計画が重要になります。
しかし、雨が降ったり、道に迷ったり、イベントやハプニングもあったりするので、なかなか計画通りに進みません。
余裕を持った計画を立てましょう。
私は、暴風に見舞われ後日行くことになったり、強風のためロープウェイが止まって後日行くことになったり、
バイクを壊してバイク屋さんに行って修理をしてもらったり、
デジカメを無くしたり、(なんと、あとから見つかりました)
ありがたいことにご接待を受けることになったり、
お遍路を回っている人とお話をしたりなどと、道中いろいろ起こり、まったくスケジュールどおりに行かなかったです。
でも、ある意味とてもいい経験になりました^^
宿泊施設
私は、1日どのくらい進むかわからなかったことから、初日だけ予約して後は、17時以降に電話してその日の宿泊先を決めていました。
ただ、初めての場合は、計画通りに進まない可能性もありますが、予約をしておけば安心ですね。
特に宿坊は何時までに予約が必要となっていますので、宿坊に泊まるなら予め予約しておきます。
また、人気のある宿泊施設は、当日だと取れない可能性があります。
私も人気の宿泊施設は何回か断られました。
歩きのお遍路をしている方は意外と多いことから、わざわざ遠くの宿泊施設に予約して歩いていくということはしませんから、その辺りの宿泊施設が一杯ということがあります。
その点、バイクは移動できますから、ホテルなどの他の宿泊施設であれば、17時以降でもなんとかなります。(GWは混むかもしれない)
また、泊まるときにはお遍路割引があるところが意外とあり、「お遍路をしています」というと割引になることが多いので、ねらい目かもしれませんね。
宿泊費を削るために、キャンプを検討される方もいらっしゃいますが、
慣れていないと、時間的肉体的にも厳しいですし、荷物が多くなるので、
最初であれば避けたほうが良いですね。
サンプルコース
サンプルコースとして
1日目:1番札所~12番札所 (12番札所の焼山寺に宿坊あり)
2日目:13番札所~22番札所
3日目:23番札所~27番札所
4日目:28番札所~36番札所 (37番札所の岩本寺に宿坊あり)
5日目:37番札所~43番札所 (44番札所の大宝寺に宿坊あり)
6日目:44番札所~53番札所→58番札所へ移動(仙遊寺の宿坊にて泊まる)
7日目:54番札所~65番札所
8日目:66番札所~79番札所→75番札所へ移動(善通寺の宿坊にて泊まる)
9日目:80番札所~88番札所
私が行った日程と若干違いますが、ほぼこのような日程で回りました。
今思えば、もう少し良い回り方があったかもしれませんね。
最短で回りたいのであれば
どうしても最短で早く回りたいという人は、この半分で回れると思います。
つまり、上記の1日目から2日目を1日で回ってしまうということになるので、
1日1県の割合で回るということになります。
ただ、御朱印を頂きたい場合は、巡拝後に頂くのが正しいですし、
お寺に注意事項として書かれているところがありますので、
早く回ることはオススメしません。
また、御朱印を頂くのに順番待ちになることがあります。
バイクでお遍路をするメリット
お仕事されている方も多いと思うので、
十数日かかる歩きのお遍路はなかなか出来ないこととは思います。
何回かに分けて歩いて回るということも良いと思いますが
住む地域によっては長い年月がかかると思われます。
乗り物を使って何回かに分けて回ることも出来ますが、
これもお金も時間もかかります。
現実的には長い休みに一気に回ったほうが
良いのではないかと思います。
となると、乗り物を使って回ることが現実的で、
車かバイクかということになりますが、
バイクは車より駐車料金が安かったり取られないことが多いので、
メリットとして挙げられます。
意外と駐車料金を取っているお寺が多く、
これが馬鹿にならないです。
恐らく、歩いてお遍路する人たちとの
公平性を考えてのことだとは思われますが、
個人的には駐車場の償還が終わったら無料にするなどを
検討したほうが良いのではないかと思います。
一番ひどかったのは三角寺。
車は200円でバイクはお金かからないのですが、
斜めに止めたから「車と同じ料金取る!」
とかおじさんが言い出して、
ちょっと喧嘩になり、
弘法大師が見ている手前もあるので、
ここは大人になり、
100円で納得してもらいました。
ほんと警察に通報しようかと思いましたよ。
バイクでお遍路をする場合、
駐車場の料金は車よりだいぶお得です。
バイクでお遍路をするデメリット
天気や積載量は普通のツーリングでのデメリットと同じです。
あえていうと、
88箇所を回るため、
人によってはグローブやヘルメットの脱着が面倒になってくるかも知れません。
また、私は白衣を着たまま走っていましたが、
人によっては走っている時は脱ぎたいという人もいるかも知れません。
その場合も、お寺に入る時は正装(白衣)にしたほうがいいので、
着たり脱いだりが発生します。
私は途中で左手が腱鞘炎になってしまい、
かなりに辛かったです。
その結果、腱鞘炎になりやすくなってしまい、
クラッチレバーがあるバイクで長距離が厳しくなってしまいました。
そういった意味では、車よりは手間がかかるし過酷です。
歩きのお遍路は過酷でありとても贅沢
歩きのお遍路は、大体、40日から50日くらいはかかるそうです。
人によっては途中の移動に公共交通機関などをつかったり、途中、ロープウェイがあったりはしますが、すべてを乗り物で行くことに比べれば大変さは桁違いでしょうね。
しかし、食事や宿泊のことを考えると、多くの人が食事をしたり宿泊施設に泊まったりわけですから、かなりの金額にいってしまいます。
仮に平均4000円とすると、50日では20万円になります。
食事も1日1500円だとしても、50日では7万5000円になります。
洗濯も必要になるでしょう。
行くまでの交通費、必要な道具の費用、御朱印をもらうならさらにプラスと
安く見積もっても、30万以上はします。
時間がかかればかかるほど費用がかさみますから
おそらく、50万程度は見ておいたほうがいいかもしれませんね。
そう考えると、歩きお遍路というのは時間とお金の余裕がなければできないのかなと思います。
まとめ
まず、お遍路で何をしたいのかまた何をしてくるのかを明確にしましょう。
その後にルートの計画をしましょう。
こちらで同じような記事を書きました。コピペも一部ありますがご参考にどうぞ。
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