前回、旧型クロスカブと新型クロスカブのスペックを比較しましたが、
今回は、新型クロスカブとスーパーカブのスペックを比較してみます。
旧型クロスカブと新型クロスカブでは運転性能を変えているかもという結論でしたが、スーパーカブとではどうでしょうか?
デザインは明らかに違うので比較については省略しますね^^
目次
スペック
スーパーカブ110と新型クロスカブのスペック
項目 | スーパーカブ110 | 新型クロスカブ |
車名・型式 | 2BJ-JA44 | 2BJ-JA45 |
全長(mm) | 1,860 | 1,935 |
全幅(mm) | 695 | 795 |
全高(mm) | 1,040 | 1,090 |
軸距(mm) | 1,205 | 1,230 |
最低地上高(mm) | 135 | 157 |
シート高(mm) | 735 | 784 |
車両重量(kg) | 99 | 106 |
乗車定員(人) | 2 | 2 |
燃料消費率(定地燃費値) | 62.0(60)〈2名乗車時〉 | 61.0(60)〈2名乗車時〉 |
最小回転半径(m) | 1.9 | 2 |
エンジン型式 | JA10E | |
エンジン種類 | 空冷4ストロークOHC単気筒 | |
総排気量(cm³) | 109 | 109 |
内径×行程(mm) | 50.0×55.6 | 50.0×55.6 |
圧縮比 | 9 | 9 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 5.9[8.0]/7,500 | 5.9[8.0]/7,500 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 8.5[0.87]/5,500 | 8.5[0.87]/5,500 |
燃料供給装置形式 | 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉 | |
始動方式 | セルフ式(キック式併設) | |
点火装置形式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
燃料タンク容量(L) | 4.3 | 4.3 |
クラッチ形式 | 湿式多板ダイヤフラムスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式4段リターン | |
ギヤ比 1速 | 2.615 | 2.615 |
2速 | 1.555 | 1.555 |
3速 | 1.136 | 1.136 |
4速 | 0.916 | 0.916 |
減速比(1次/2次) | 4.058/2.500 | 4.058/2.642 |
キャスター角(度) | 26° 30´ | 27゜00′ |
トレール量(mm) | 73 | 78 |
タイヤ(前) | 70/90-17M/C 38P | 80/90-17M/C 44P |
タイヤ(後) | 80/90-17M/C 44P | 80/90-17M/C 44P |
ブレーキ形式 前/後 | 機械式リーディング・トレーリング | |
懸架方式(前) | テレスコピック式 | |
懸架方式(後) | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | バックボーン | |
お値段 | 275,400 | 334,800 |
さて、新型クロスカブとスーパーカブの比較で、
今回注目したところは、減速比の2次とシート高の違いです。
減速比の2次(トルクやスピード)と
シート高(乗り心地)の違いについて考察してみます。
トルクやスピードについて
減速比の比較(2次)
最終減速比、ファイナルギアなどいろいろいい方があるようですが、カブで言うところの後ろのスプロケットで調整ができる値です。
難しい話は置いておいて、
もし、エンジンの回転数でタイヤが回転していたらものすごく早く回ることになってしまいますね。
しかも、この回転には力がありません。
変速機が付いている自転車に乗ったことがあればわかると思いますが、
一速にすると、とても軽いですが、全然進みません。
逆に六速など大きなギアにすると、重いですが、とても早く進みます。
回転数と力(トルク)は相関があり、回転数が元の回転数から落とすとトルクが増えます。
また、元の回転数から別の回転数に変換する比率を「減速比」と言います。
ミッションの減速 × 一次減速 × 二次減速= 総減速比
となり、
エンジンの回転数 ÷ 総減速比 = タイヤの回転数
となるわけです。
クロスカブの4速の場合は、総減速比は
0.916(4速)×4.058(1次)×2.642(2次) = 約9.82
となります。
基本的に回転数を少なく変換すれば力強く加速します。
逆に回転数を多くすれば(落とさないようにすれば)、最高速が伸びます。
これらを踏まえて、もう一度減速比(2次)を見てみると
スーパーカブ:2.500
クロスカブ:2.642
ですので、クロスカブのほうが大きい値になっています。
ということは、回転数は落ちますから、トルクは大きくなります。
このことから、クロスカブは、スーパーカブに比べて、パワーを重視していると言えるのではないでしょうか?
では、実際計算してみます。
クロスカブのエンジン回転数
クロスカブにタコメーターはついていないので実際の回転数はわかりませんが、
理論値のエンジン回転数は計算で求めることができます。
今回は、時速60km、4速で走った場合のエンジン回転数を求めて見ましょう。
前回、クロスカブについているタイヤの直径を計算しましたので、外周を計算します。
(直径)576mm×円周率となりますから、タイヤの外周はおよそ1810mmとなります。
次に、時速60kmということは、1時間に60km進む距離です。
これをmmに変換すると、1時間に60,000,000mmですw
分に直すと1分間に1,000,000mm(16m)進むということになります。
次にタイヤが1分間に何回転したら、時速60kmになるかと計算します。
1,000,000mm/分 ÷ 1810mm = 約552.49回転/分
先ほど、クロスカブの4速の総減速比は9.82でしたので、
これをかけます。
552.49回転/分×9.821 = 約5460rpm
4速で時速60kmを走ると、エンジンの回転数は・・・
(トリビアの泉風に)約5460rpm
スーパーカブとクロスカブを同じ回転数で比較
スーパーカブが5460rpmの時に時速何kmなのかを計算します。
スーパーカブの総減速比を同じ条件(4速)で計算します。
0.916(4速)×4.058×2.500 = 9.293
5460rpm ÷ 9.293 = 587.53回転/分
(タイヤ)1810mm × 587.53回転/分 = 1063445.604mm/分
時速に直すと・・・63806736.25mm/時
kmに直すと・・・約64km/時
クロスカブが546orpmで走行すると60kmに対し
スーパーカブは・・・
約64km/時
(計算など間違っていたらすいません)
結論
同じ回転数5460rpm時に、
クロスカブは60km/時
スーパーカブは64km/時
であることから、
スーパーカブのほうがちょっと早い。
逆にクロスカブのほうがトルクがある。
おそらく、クロスカブは坂道、山道を想定し、
スーパーカブは平地、街中を想定したのでしょうかね。
乗り心地
シート高の比較
スーパーカブのシート高は、735mm
クロスカブのシート高は、784mm
約5cmの違いがあります。
これは大きいですね。
実際乗ってみても視線の高さが高いので気持ちが良いですし、ツーリング向きかなと思います。
ただ、長い足なのに(ほー(-_-メ))、乗る時に、足をちょっとあげる気がします。
普通のバイクに比べれは、もちろん、あげる必要はないのですが、
スクーターと比較すると、高いですね。
最低地上高も2cm弱高くなっていますから、全体的に高くなっているのでしょうね。
乗り降りの回数を考えてみると、おそらく、ビジネスで使われることが想定されるスーパーカブのほうが多いことに対して、クロスカブは、遠くに出かけることのほうが多そうですので、そう考えれば、視点が高いほうが良いですよね。
クロスカブに対するこだわりを感じるなぁ
トレール量とキャスター角
旧クロスカブと新型クロスカブを比較した際に書きましたので詳細は省略しますが、
トレール量は5mmほどクロスカブのほうが長いことから、
スーパーカブのほうが小回り重視、
クロスカブのほうが、安定性重視といった感じでしょうかね。
お値段
価格について
スーパーカブは、275,400円
クロスカブは、334,800円
と約5万程度の違いがあります。
車両価格と比較すると大きな差ですね。
価格差の理由は?
旧型クロスカブは海外で組み立てていましたが、新型クロスカブは国内で組み立てています。
海外から国内へ組み立てをシフトしたわけですね。
旧型クロスカブは黒っぽいシートなのですが、初期にシートをスーパーカブのようなグレーのシートを誤ってつけるという失態をやらかしてしまいました。
聞いたところによると、海外生産は不具合が多いとの話です。円安や海外拠点での人件費高騰もあり、もしかすると、海外での生産での採算が合わなくなってきたのかもしれませんね。
そういう事もあって、もしかしたら、組み立て拠点を日本に移し、そのことがコストアップにつながったかもしれません。
また、今回新たにドレスアップが図られていて、新型クロスカブ用に部品が作られる部分もあることから、そういったとこもコストアップにつながっていると思われます。
スペックの違いからも分かる通り、
コンセプトが違うバイクであることがわかりましたから、
単純な価格の比較はできないものの、
例えば、30万円以内!といった予算に制限がある場合、
なかなか悩ましいところかもしれませんね。
デザインやツーリングを考えれば、お値段以上の価値はあるのではないでしょうか^^
まとめ
利用シーンに応じてスーパーカブかクロスカブか選んだほうが良さそうですね。
遊びに使おうと思っている方は、
クロスカブのほうが改めて良いと思いましたよ^^
ではでは~
編集後記
回転数が・・・計算がぁ・・・ボン!
時速64kmで頭を回転させたため、パンクしました。
クロスカブとともにしばらく走行不能になります(゚д゚)!
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コメント
計算、お疲れ様でした(頭パンクです)?
やはり見た目、機能共にワイルドなクロスカブが良いですね~?
ただ、いつ買えるかわかりませんが、他にもリムやスプロケットなど交換する予定です。
マサさん、コメントありがとうござます~
小さいバイクだといじりやすいのもメリットですかね^^
自分なりのバイクにするのも楽しそうですね^^
カブのエンジンの基本設計は、昔とほとんど変わらないと聞きます。
むしろ変える必要がないってことですから、
ほんとすごいなぁ~