バイクでお遍路をする!やり方や心構え

お遍路の旅

バイクでしたお遍路旅の話をする前に、
「やったことはないけど、バイクでお遍路をしたい!」という
希有な方もいらっしゃると思います。

 

そのような方向けに私の経験や体験、失敗や反省なども踏まえ
思うところを今回は書きます。

 

 

バイクでお遍路をするメリット

お仕事されている方も多いと思うので、
十数日かかる歩きのお遍路はなかなか出来ないこととは思います。

何回かに分けて歩いて回るということも良いと思いますが
住む地域によっては長い年月がかかると思われます。

 

乗り物を使って何回かに分けて回ることも出来ますが、
これもお金も時間もかかります。
現実的には長い休みに一気に回ったほうが
良いのではないかと思います。

 

となると、乗り物を使って回ることが現実的で、
車かバイクかということになりますが、
バイクは車より駐車料金が安かったり取られないことが多いので、
メリットとして挙げられます。

 

意外と駐車料金を取っているお寺が多く、
これが馬鹿にならないです。
恐らく、歩いてお遍路する人たちとの
公平性を考えてのことだとは思われますが、
個人的には駐車場の償還が終わったら無料にするなどを
検討したほうが良いのではないかと思います。

 

 

一番ひどかったのは三角寺。
車は200円でバイクはお金かからないのですが、
斜めに止めたから「車と同じ料金取る!」
とかおじさんが言い出して、
ちょっと喧嘩になり、
弘法大師が見ている手前もあるので、
ここは大人になり、
100円で納得してもらいました。
ほんと警察に通報しようかと思いましたよ。

 

バイクでお遍路をする場合、
駐車場の料金は車よりだいぶお得です。

 

 

バイクでお遍路をするデメリット

天気や積載量は普通のツーリングでのデメリットと同じです。
あえていうと、
88箇所を回るため、
人によってはグローブやヘルメットの脱着が面倒になってくるかも知れません。
また、私は白衣を着たまま走っていましたが、
人によっては走っている時は脱ぎたいという人もいるかも知れません。
その場合も、お寺に入る時は正装(白衣)にしたほうがいいので、
着たり脱いだりが発生します。

 

私は途中で左手が腱鞘炎になってしまい、
かなりに辛かったです。
その結果、腱鞘炎になりやすくなってしまい、
クラッチレバーがあるバイクで長距離が厳しくなってしまいました。

 

そういった意味では、車よりは手間がかかるし過酷です。

 

 

お作法

お遍路遍は「同行二人」と言われています。
つまり、ソロライダーとして行っても、一人で回っているのではないのです。
これは、常に弘法大師がそばにいて、その守りを受けているとされています。

 

普通、お寺に巡礼される場合は、本堂の1箇所だけなのですが、
お遍路の場合、八十八箇所のお寺全部に
「本堂」と「大師堂」がありまして、
この2箇所をお参りします。

 

つまり、88のお寺×2つで176個をお参りすることになります。

 

さらに、作法として、
①山門で合掌、一礼して境内に入る。
②手水舎にて手を口を清める
・本堂
③納め札を納める
④ロウソクに火をつけ、燭台にろうそくを立てる
⑤ロウソクからお線香3本をつけ、大香炉にお線香を立てる
⑥お賽銭を奉納する
⑦納経する(般若心経などを読む)
・大師堂
③~⑦まで同じ
⑧御朱印などを頂く場合は、納経所に行って御朱印などを頂く。(有料)
⑨山門で合掌、一礼して終わり。

 

1つのお寺でも非常に時間がかかります。
ちゃんとお遍路をするのであれば、
時間に余裕を持っておいたほうが良いですね。

 

水曜どうでしょうという番組では、
3日間で回ると行った企画でしたが、
入り口だけに行っただけでは、
当然ながらお参りとは言えません。
観光といった目的ならそれでも良いでしょう。

 

作法を無視して、御朱印だけをもらうという人もいるらしいのですが、
納経した証として御朱印がいただけるので、
それも駄目です。
お寺によっては、納経したかどうか聞かれます。

 

 

次に必要な道具や物などをご紹介します。

 

納め札

1つの誤算が納め札でした。

 

納める札の存在を1番札所で聞くまで知らなかったです。

 

このようなものです。
下のほうが隠れていますが、帯を外すと入らなくなっちゃうので、
そのままで撮りましたがご了承ください。

何が誤算だったかと言うと、
名前と住所を書くようになっていることです。

 

 

つまり、先程も言ったとおり、1のお寺に2箇所に納めることに
なりますから2枚必要です。

 

 

名前と住所を書くだけじゃんと思うかも知れませんが、
書く場所を探して、筆記用具を出して、
急いで書いたとして2枚で2分かかったとします。
1日15箇所回りたいとするとそれだけで30分かかります。

 

 

時間のない日はちょっと痛い。
しかもバイクで雨だときついです。

 

 

1番札所で、
「納め札は前日に書いておくんだよ」と
親切に教えていただいたので、
まだ良かったのですが、
ちゃんと準備できなかった時があって
時間が若干取られました。

 

 

ちなみに、
住所は全部書かなくてもいいよと教えてもらいました。
というのも、
世の中、罰当たりな人がいまして、
この納め札を盗んで、
個人情報を手に入れる人(業者かも)がいて、
気になるなら詳しく書かないほうが良いと言われ、
番地は書かないようにしました。

 

 

実はこの納め札、
私は白なのですが、
ランクがあって、回った回数によって
色が変わりますw

 

 

白:1~4回
緑(青):5~7回
赤:8~24回
銀:25~49回
金:50~99回
錦:100回以上
となっています

 

 

100回以上って、
1年に1回、お参りしても
100年かかりますから
神業ですね。

 

数珠

数珠は持っていったほうが良いですね。
宗派によって数珠の玉の数が違うのですが、
正式には108個でして、
同じ真言宗でしたので、
問題なしでした。

 

無かったり違ったりしても支障はないです。

 

 

白衣

お遍路をする時の正装です。

 

白衣に御朱印をもらうことも出来まして、
亡くなった時にそれを来ていると
極楽浄土へ導かれるなどと言われているようです。

 

稀にお遍路をしていると、
御朱印をもらった白衣をしている人を見かけるのですが、
御朱印をもらった白衣は亡くなったときに着るもので、
普段は着てはいけないと教えてもらいました。
無知のまま行ってしまったのですが、無知はいかんですな。
ほんといろいろ教えてもらってよかったです。

 

 

納経帳

1番札所で売っているものは、種類が豊富なのですが、
バイクでお遍路をする場合、
一番小さいのにしておいたほうが良いです。
というのも、やはり、バイクは積載量が少ないからです。

 

お遍路の納経帳は、普通の御朱印帳に比べ
ちょっと大きいです。

 

御朱印帳でも良いのでしょうが、
もらい忘れを防止するためや
どこの御朱印がどのお寺なのかわからなくなる
恐れがあるため、
お寺の記載があるお遍路用の納経帳が良いです。

 

1回御朱印をもらい忘れていて、
次に行った時に気がついて
戻ったなんてことがありましたが、
中にはずっと気が付かないでいて
戻るに戻れないという人もいるようです。
お寺ではやることも多いので、
これは気をつけたいところですね。

 

 

さらに雨対策用にビニールカバーが付いていたほうが良いです。

御朱印帳 納経帳 和綴じ式 四国 八十八ヶ所 ビニールカバー付 ちりめん柄 水色

 

 

経本

経本とは、般若心経などが書かれている本です。

 

印刷して持っていっても良いと思います。

 

私が買ったのはジャバラ式のもので、
1枚の裏表に全部書いてあって、
非常に便利。
そのうち、見ないでも言えるようになってきますが、
覚えていないうちはあるといいです。

 


四国八十八ヵ所 勤行用 経本 十三佛真言般若心経 【お遍路用品/巡礼用品】 (小)

 

 

雨傘

雨傘は持っていったほうが良いです。

 

かっぱを着ているから大丈夫と思っていましたが、
手に持つものがあったりするので、
手元が濡れないようにしないといろいろ大変です。

 

まず、ろうそく、お線香が濡れると火がつかない。
ロウソクやお線香は燭台があるからまだいいかもですが、
納め札や納経帳は濡れたくないですね。

 

納経所で傘もささずに、
お財布や納経帳出したりすると
ちょっと厳しいかも。

 

 

こんな日にやらなければ良いのですが、
私は台風直撃で、大雨になり、ホント大変でした。

 

山谷袋

バックみたいなものです。

山谷袋の代わりに
リュックやバックでも十分だとは思いますが、
上記道具などを入れておくために
何か入れ物はあると便利です。

 

バイクでは使う機会があまりないもの

・遍路笠

バイクだと使う機会がないものですが、私は買ってツーリングバックにつけておきました。
ちょっと雰囲気が出ます。

・金剛杖

杖ですね。危ないし、使う場面がほとんどないので買わなかったです。

 

・お袈裟、鈴など

他にもいろいろあるのですが、必要最小限にするために買わなかったですね。

 

巡礼の順番

1番札所から88番札所まであるので、
1番から回らなければいけないと思ってしまいますが、
特に決まっていませんので、
どこから回り始めても良いです。

 

ちなみに、1番から順番に回ることを「順打ち」
88番から逆に回ることを「逆打ち」と言います。
一気に回らず、何回かに分けて回ることを「区切り打ち」と言います。

 

宿泊

宿泊代がかかるからとキャンプを検討される方もいらっしゃると思いますが、
慣れていなければ、
旅館やホテルまたは宿坊に泊まることをおすすめします。

 

 

その理由としては、
①1日でどこまで回れるのかわからない。
私も計画を立てて行ったんですが、
台風のため、ゴンドラが止まり、
お参りに行けなかったり、
コケたり落とし物したり迷ったりと
計画通りになかなか進まなかったです。

17時まで回った後に、
ホテルや旅館に電話して空いているところに
行っていましたが、
キャンプとなると、
キャンプ場を探し、
さらに設営撤去がありますから、
ここが速やかに出来ないと時間がかかってしまいます。

 

②四国の宿泊料金は全体的に安い。
四国の宿泊料金が全体的に安いのもお遍路をする人が多い
ということもあるのかもしれませんね。
お遍路さん特別価格ということでお遍路さんは安くなるところもあります。
当時の値段で安いところで2000円位、
高くても宿坊の6000円程度(1泊2食付きにしたので)でした。

宿坊は良いですよ。

 

③宿坊には泊まりたい
せっかくなら1回は宿坊に泊まりたいところです。
宿坊は朝のお勤め(お経を読む)ができるので、
朝から身が引き締まる思いです。

 

料理は精進料理など質素なところもありますが、
それが改めて、
自分たちが贅沢なものを食べていることを
思い知らされます。

私は、58番札所の仙遊寺と75番札所の善通寺に泊まりました。
善通寺はほぼホテルで、お酒も売ってました^^;
修行にならないような気もするな・・・w

 

④長距離を走るため、荷物を軽くしておきたい。
私もキャンプ道具一式を持っていきましたが、
移動距離が長い、停まったり動いたりが多いなどの理由で、
軽くしておくべきだったと思いました。

 

 

 

コケて壊れてバイク屋へ

お遍路の途中、高知県のとある交差点にて曲がろうとしたところ、
バイクを転倒させてしまいました。
恐らく荷物が多かったんですね。

エンジンガードを取り付けていたため、
カウルの破損等はなかったのですが、
そのエンジンガードが曲がり、
カウルが曲がったため、
ちょっとかっこ悪くなりました。

そこで、バイク屋さんに見てもらおうと
探したら、オートショップチャレンジというお店を
見つけまして持っていきました。

そうしたら、ありがたいことにすぐにやってくれまして、
しかも2000円で直してくれました(゚д゚)!

曲がったものを曲げ直しただけだったようですが、
ホント助かりました。

自分、お遍路の格好のままで行ったものですから、
それも珍しかったようです。
お遍路のルートからはちょっと外れているようで、
ほとんど見ないので、
ここのお遍路の人が来るのはかなり珍しいようで
写真をられましたw

事前にバイク屋さんを探しておくのは難しいかも知れませんが、
ロードサービスや保険などは事前に確認しておきたいところです。

 

 

八十八箇所の回ったら・・・

八十八箇所回っても、
誰かが褒めてくれるとか祝ってくれるものではなく、
静かに終わります。

 

とは言ってもなにかほしいなと聞いてみたら、
「結願証明書」を言う88箇所回った証明書みたいなものを
2000円で売っているようで、
せっかくなので書いてもらいました。

 

これで終了・・・

 

 

と思いきや、
実は、八十八箇所回ったらそれで終わりではないのです((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

途中で知り合った人にそれを教えてもらって、
愕然としました。

 

 

八十八箇所回ったら、
和歌山県にある高野山の奥の院へ行き、
ご報告とお礼をすることで、
終わります。

 

この時に、納経帳の最後のページが埋まらず、
なんとか数年後に行くことが出来、
ようやく終わることが出来たのです。
感無量です。

 

 

やり終えてみて

そもそも、なぜお遍路をするのかということなんです。
いろいろ理由はあると思いますが、
1つは修行としてということがあると思います。

 

バイクなので厳しいと言っても、
歩きに比べれば楽な方かも知れません。

 

でも、実は歩きはたしかに大変なのですが、
現代においては、非常に贅沢な方法とも言える気がするのです。

 

というのも、
お金も時間もかかるからです。
逆に言うと、お金と時間がないと出来ないのです。

 

本当に修行なら、
野宿でも良いわけです。
しかしながら、それは出来ないことでしょうね。
せめてテントですね。

 

食べ物はどうでしょうか?
きっと、どこかで買うんでしょうね。

 

道具はどうでしょうか?
これもちゃんと揃えると結構かかります。

 

そう考えると、
お金がないと修行は出来ないのか?
ということになります。

 

お遍路でなければ修行ができないこともないと思いますし、
御朱印を全て集めれば極楽浄土へ導かれるかと言うと
そうでもないと思うのです。

 

となるとお遍路は、
お遍路をすることが重要ではなく、
「高い目標をやり遂げる」と
言う意味がとても重要なのではないかと思います。

 

だから、歩きでもバイクでも車でも、
自分が決めた高い目標、つまり、88箇所を回るという
目標を立てたなら、困難があってもやり遂げるという
ことが意味が重要なのではないかと思います。

 

低い目標はあまり意味がありません。
健康なのに観光バスで回っていれば
あまり意味がないのです。

 

しかし、体が不自由で、バスから本堂にまで歩いていくのも大変という人なら
88箇所回るのはとても高い目標なのです。

 

つまり、バイクであっても、
それが自分にとって高い目標であり、
それをやり遂げるということが重要なのです。

 

自分にとってお遍路は、
高い目標であり、
いろいろな困難があったけど
なんとかすべてを回ることが出来たことが
とても大きな自信になり、
自分の財産となったわけです。

 

 

しかも、行く途中でいろいろな人に助けてもらったり、
親切にしてもらったりしていただき、
一人で回っているのに、多くの人に支えながら
回っているんだと思いました。

 

「同行二人」とはもしかしたら、
自分と自分以外の人に支えながら歩いているんだということ
なのかも知れないと思ったわけです。

 

考えてみれば、
泊まる場所、食べるもの、バイクもですが
自分以外の人が提供してくれているわけで、
つまり、お遍路は、自分以外の人がいるから
できるのです。

 

自分がお遍路が出来たのは
自分以外のおかげということを感謝し、
お遍路の奥深さを改めて考えさせられ、
またいつか回ってみたいと思いました。

 

ではでは~

 

 

 

 

編集後記

日曜日にアップしたと思っていたら
設定ミスってアップされておらんかったw

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お遍路の旅
この記事を書いた人

血液型:0型
所在地:信州(長野県)
バイク:Ninja250、クロスカブ
自己紹介:クロスカブに乗るへっぽこ40代ライダー。バイクのことは詳しくないけど、ツーリングが好き。長野県を中心にツーリングに出かけています。ITも好きなへっぽこITエンジニア。個人投資家ダメリーマン。Ninja250でお遍路中にコケるもなんとか11日間で全部回ってみたり、クロスカブで信州から四国までフェリーを乗り継いで1日で行って見たり、ボロボロになりながら、ツーリングライフを楽しんでいます。

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コメント

  1. マサ より:

    なるほど~。
    お遍路は、寺一ヶ所だけでも9の作法があるんですね⁉️
    こりゃあ、めんどくさがりーの自分には無理ですね~?
    三角寺のオッサンもセコイ?
    腱鞘炎になったのはお気の毒でした?
    しかし、バイクでコケてもエンジンガードだけで済んだのな、弘法様のおかげかも‼️
    全部回って高野山の奥の院に報告するのは知りませんでしたね?
    最後に同行二人の意味が分かって、プチ悟りを開きましたね?

    • まのぴ~ より:

      コメントありがとうございます~
      ちょっと返信が遅れましたm(_ _)m
      実はちょっと省略して書いていまして、
      お経は、
      開経偈1回
      懺悔文1回
      三帰1回
      三賁1回
      十善戒1回
      発菩提心真言1回
      三摩耶戒真言1回
      般若心経1回
      御本尊真言(大師堂では唱えない)3回
      十三仏真言3回
      光明真言3回
      御宝号3回
      回向1回
      読む(読経または写経)のが正式のようです(゚д゚)!
      ほんと大変ですね。。。
      自分もめんどくさがりーまんなので、
      お経は略式で済ませちゃいました。

      • マサ より:

        なんという多さ?‼️
        頭が大爆発?〰️??